Y.絶滅危惧種って何だろう?
カテゴリーと定義   レッドリスト
(平成19年8月3日)
絶滅(EX):すでに絶滅したと考えられる種 ムニンキヌラン
野生絶滅(EW):飼育・栽培下でのみ存続している種 該当なし


絶滅危惧種
絶滅危惧T類
絶滅の危機に瀕している種
絶滅危惧TA類 (CR)
ごく近い将来における絶滅の危険性が極めて高い種
ムニンツツジ
ムニンノボタン
コバノトベラ
ウチダシクロキなど
絶滅危惧TB類 (EN)
IA類ほどではないが、近い将来における絶滅の危険性が高い種
アサヒエビネなど
        絶滅危惧U類 (VU):絶滅の危険が増大している種 ムニンゴシュユなど
準絶滅危惧種 (NT):現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種 タコノキなど
情報不足 (DD):評価するだけの情報が不足している種 該当なし
絶滅のおそれのある地域個体群 (LP)
地域的に孤立している個体群で、絶滅のおそれが高いもの
該当なし

 私たち人間は、食料、薬、住居、衣料、染物、観賞、癒しなどなど、、、自然の恵みを得て豊かな生活をおくっています。その一方で、多くの野生生物が絶滅の危機に瀕しています。

生物が絶滅すること自体は、生命の長い歴史において繰り返し起きてきたことです。
しかし現在の野生生物は、人間活動の影響から未だかつてない程の速さと世界的な規模で絶滅の危険性が高まっています。実に、日本の野生植物のうち維管束植物では1690種が絶滅危惧種です。

 絶滅危惧種とは何でしょうか。
主に開発、乱獲、草食獣による食害、外来種との競合などにより、野生での存続が危ぶまれている種のことです。
しかし、漠然と多くの種が危ないといわれただけでは、どの種を保全していかなければならないのか分からなくなりますね。そこで、野生生物の保全を目的に客観的に分かりやすくカテゴリーごとに分類されたものが、レッドリストレッドデータブックです。
IUCN(国際自然保護連合)や環境省や都道府県等の団体によって、絶滅の恐れのある生物を、個体数や減少率などの数値情報から客観的に評価したものがつくられています。

ここでは、環境省のRDB(レッドデータブック)を基準にしています。
(詳しくは、環境省・生物多様性システムへ)

 生物の多様性は、私たちの豊かな生活にとっても欠かすことのできないものです。
カナダでは「絶滅危惧種法」という法律があり、絶滅のおそれのある野生生物の殺傷や生息域の破壊を禁止しています。また同時に、土地所有者、自然保護団体、自治体、政府が協力して保全に取り組むことなどを求めています。
日本では、「種の保存法」と呼ばれている「絶滅のおそれのある野生生物の種の保存に関する法律」が制定されており、絶滅することなく後世に保存することを目的としています。
未来の子供たちに多くの生物を遺していけるよう、私たちも日頃から意識や関心をもち、環境保全に協力していきたいですね。

ムニンツツジ ムニンノボタン
死亡したウチダシクロキ ウチダシクロキは、ノヤギによる食害によって著しく減少した。

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<2008.7.23作成>