NO.16 イワザンショウ
Zanthoxylum beecheyanum K.Koch

(ミカン科・サンショウ属)

 イワザンショウは、かつては小笠原の固有種とされていましたが、その後、南大東島と北大東島にも分布していることが分り、広域分布種になった植物です。

主に山頂近くの岩石地や尾根沿いに生育し、ほふく状小低木になります。
分布は広く、個体数も多い。

サンショウの仲間なので、葉に傷がつくと良い芳香があります。実にも微量の香りがあるものの風味が少なく、島では利用していません。

 葉は強い光沢と油点があり、奇数羽状複葉(小葉が軸「葉の中心の軸」の両側に羽のようにつき、全体として1枚の葉を形成しているもの:フジやサンショウなどで、先端に小葉「頂小葉」があるものを奇数羽状複葉という)、軸には翼がある。葉の基部には、2本の刺が葉軸を挟んで対生についています。
(4月:父島・高山)
イワザンショウは、2月〜4月頃に開花します。

 サンショウ属の花は雌雄異株が多くあります。イワザンショウも雌雄異株のようですが、今年は両性花のような株がありました。
今後、実に育ち熟すのか観察していきたいと思います。
 
 (4月:父島・躑躅山)
 
 雌花  雄花
 実は11月から12月に熟し、裂開して
黒い光沢のある種子を弾き出します。
(7月:父島・旭平)       (12月:父島・躑躅山)

広分布:木本類の表紙にかえる