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5月14日、小笠原は晴天が続き暑くなってきました。そんな日でも、山に上がると涼しい心地よい風が吹いています。そろそろコクランも咲く頃だろうとふんで出かけると、予想どうりの綺麗な姿を見せてくれていました。
コクランは、常緑林下の枯れ葉が積もった場所を好みます。
小笠原では1994年空港路調査の時に父島字西海岸で最初に発見されて、その後、1996年には旭平某所で小群落が発見されました。
最初は、島の固有種で同じクモキリソウ属のシマホザキランとも思われていたようです。
いつから島にきて定着していたのでしょうか。。。大きな生育地であった場所は、人為的かく乱のあった場所です。本当に自然分布と考えても良いものか、個人的には疑いを持ちたくなります。誰にも分らない大きな謎です。
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2004年5月(父島:某所)
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花は、一株にだいたい5〜10個くらいの花を総状につけます。
和名の黒蘭は、花の色からきているのでしょう。
光の加減で薄暗い時などは、とくに黒っぽく感じる暗紫色をしたランです。
本州では6,7月頃に開花するようですが、小笠原は暖かいのでたいてい5月、遅いものでも6月の上旬までしか見れません。
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明るい林内では、黒というより赤紫色に見えます。
クッルっとカールした花弁が、なんだか妖精のようにかわいいです。
先端につく黄色い粒は、花粉塊です。
ラン科の植物などで見られるこの花粉塊は、べたべたしていて、昆虫が訪花に訪れたとき昆虫の額などについて別の花に運んでもらって受粉してもらいます。
どんな昆虫が訪花しているのでしょうか、、、。訪花昆虫の姿は未だ見たことがありません。
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前年の株と並んで生えているものもありました。
左の株には、中身はありませんが実の殻だけが残ってついています。
コクランの地中の様子は見たことがありません。図鑑で調べると偽球形は円柱状で前年のものと並んでたつとありました。
コクランは、本州でも暖地の各地に広く分布しています。
コクランは日本の危惧種には指定されていませんが、都道府県などの地域レベルでのRDP(レッドデータープランツ)で危惧種に指定されていることがあります。
父島では現在、各場所で見かけるようになり、ランの中では分布域・個体数ともに増加傾向にあると思います。
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