アカギ

(コミカンソウ科)

母島・桑ノ木山を23年ぶりに訪れて、
昔の景観との違いにあぜんとしました。

旧道の入口で車を降りて、旧道をくだる
と、昔九十九折れと呼ばれた坂道に
出ます。
そこは、見渡すかぎりアカギの純林に
なっていました。
大きなアカギは、樹高15メートル、
太さ70センチ近くありました。
アカギは、小笠原の固有植生を
脅かす外来種として、今ようやく除去
が始まりました。

樹皮は右の写真のように赤褐色をして
います。アカギという名はこの樹皮から
きているのでしょう。

(2003年2月:父島・小笠原父島無線中継所横)

子どもたちの母島・乳房山登山の引率
で山道を登っていくと、アカギの幼樹が
目にとまります。
最初は、アカギを見つけるたびに、
出来るだけ下の方からへし折って登山
をしました。
ところが、次の引率で山道を登ったと
き、へし折ったはずのアカギが、へし折
られた脇から新しい枝を出して逞しく
育っているいるのを見て驚きました。

アカギは3月頃、円錐状の花序を伸ば
して、黄緑色の小花を多数つけます。

(2003年4月:父島・夜明道路沿い)
 雌株の花(雌花) 雄株の花(雄花)
(2003年11月:父島・夜明道路沿い) (2003年2月:父島・夜明道路沿い)

秋も深まる頃、ナシ状の直径1センチより
やや大きい果実が枝のしなるほど房状に
たわわに実り熟します。
果実には、数個の種子が入っています。
この果実をイソヒヨドリが食べて、種子を
あちらこちらに散布しています。
アカギは雌雄異株です。
多数果実をつける雌株を絶やすことも
アカギを減らす方法の一つだと考えます。

三日月山展望台への山道の左側に太さ20
〜30センチのアカギの木が数本あります。
これもイソヒヨドリによって運ばれたアカギ
なのかもしれません。

アカギの葉は互生(互い違いはえる)し、
3枚の小葉をもつ掌状複葉です。
葉は、柔らかな革質で、表面はやや光沢が
あります。
アカガシラカラスバト・サンクチャリー入口
の木道は、東平の旧道脇のアカギを伐採
した材を利用してつくられています。
丸太を半分に割った材を上手に使って
つくられています。、
約3ヶ月後、その木道のあちらこちらから、
アカギの新芽が出ていました。
その生命力の強さにあらためて
驚きました。

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