マルバツユクサ
Commelina benghalensis L.
(ツユクサ科)

(写真は、2枚とも2005年9月:父島・釣浜)
 植物には珍しい青紫色の花が綺麗な草です。

 私が始めてマルバツユクサを見たのは、2001年のジョンビーチに降りる階段付近でした。最近、ここでは姿を見ません。マルバツユクサだけでなく他の林床に育つ植物が減少しています。ヤギの食害の影響がでているのでしょう。

ところが、今年になって釣浜に遊びにきたら、新しいウッドデッキができていました。
その周りを見ると、マルバツユクサが新しく入っていました。
新しいものを建てたり、工事があると新しい帰化植物が同時に入ることが多々あります。ジョンビーチのマルバツユクサとの関連があるとは考えにくいものの、人為的影響があって生えているものと思います。

 マルバツユクサは海岸付近の砂地を好んで生えています。花期は6月〜9月。
葉はツユクサに比べ丸く、葉縁は波打つ。葉や茎は白い毛に覆われていて、触るとフワフワとした柔らかい触り心地があります。茎は地を這うようにして伸び、高さは約20〜30cm。二枚貝のような苞に花を2つ咲かせます。ひとつが両性花、ひとつが雄花で(雄性両全性異株という)、とじた苞の中に果実が1個実ります。

マルバツユクサは植物リストなどで帰化植物という扱いはなされていないものの、観察をしていた釣浜でいえば人為的な影響を受けた場所に生える事から、帰化植物である可能性が非常に高い。
本土でも、ココピートという園芸用土(土壌改良材)からマルバツユクサなどいくつかの外来植物が発生する報告があります。

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