NO.5 ムニンタイトゴメ
Sedum japonicum Siebold ex Miq. subsp. boninense (Yamam. ex Tuyama) H.Ohba
(固有種:ベンケイソウ科キリンソウ属)
(2005年12月:父島) | (2009年1月:父島) |
ムニンタイトゴメは、山頂付近の岩場やガレ地に生育している多年草です。 南九州から琉球に生育する近縁種のコゴメマンネングサは海岸に生えますが、ムニンタイトゴメは夏は灼熱の太陽が降り注ぎ、冬は風の吹き付けるような他の植物が生えにくい山頂の厳しい環境に適応しています。 足元の小さな植物なので、踏まないように注意したい島の大切な植物です。 絶滅危惧種TB類(EN)に指定されています。 ムニンタイトゴメは、秋の涼しさを感じる晩秋に発芽して、12月頃から花が咲き始めます。 高さ3〜5cm。茎は数回分岐します。 葉は、2mm程。無毛。葉先は丸く多肉質です。 米に似た葉の姿から、タイトゴメ(大唐米)という名前の由来になっています。 花期は12月〜3月。黄色い5弁の花を咲かせます。 葯の花粉は黄色。雄しべは古びてくると次第に開いていき、葯は橙色へと変わります。 果期は、1月〜4月頃。 地面が暑くなってくる春頃に地上部は枯れ、暑い時期の間は地下の白い球状の鱗茎(※1)ですごします。 そして、また晩秋になると同じところから発芽します。 |
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(2009年1月:父島) | (2006年1月:父島) |
※1:鱗茎・・・ふくらんだ地下茎のひとつで、短い茎に多肉質の葉が密につくもの。 (例:タマネギ、ユリなどの球根。) |