サンショウモドキ
Schinus terebinthifolius Raddi

(ウルシ科・コショウボク属)

 夜明道路沿いや長崎〜釣浜へ行く遊歩道沿いに、複葉の葉をした樹木が点々と生えています。
サンショウモドキというウルシ科の植物です。

 外来種の樹木としては珍しく、随伴的に小笠原に入ってきた植物で、アメリカ統治時代にハワイからの荷物について入ってきたといわれています。

 9月には、円錐花序を頂生し、ほぼ全ての枝で花序をつける。白い小花を多数咲かせます。雌雄異株。
(2005年9月下旬:父島・長崎ループトンネル付近)
雌花 雄花
 

 葉は奇数羽状複葉で、全縁。無毛。
新葉は黄緑色で、徐々に濃い緑色になる。
葉脈ははっきりしていて、風衝地のものは葉に厚みがあるものが多い。

枝や幹は赤みがかった褐色。
(父島・長崎展望台T字路、看板のそば)
 11月頃、赤く熟した果実を多数つけます。

 ハワイでは異常なほどの速さで分散し、固有植生への弊害があるそうです。
小笠原でも、返還直後3株だったものが10年後8株になったと「小笠原図譜」にはあり、現在では40〜60株近くはあると思います。一度、大きな株を切った時があると伝え聞いているものの、とても減少しているようには見えない。

将来のことを考えると、現在の個体数や分布の調査にGPSを使ったり、花と果実をどれだけつけるかなどの調査をした方がいい。早い段階で、脅威となるような外来樹木を伐採するなども検討して欲しい。
(11月中旬:父島・長崎展望台の標識の後ろ)

外来:木本類(1)の表紙にかえる