タマザキフタバムグラ
Hedyotis corymbosa (L..) Lam.
(2005年12月:父島・清瀬三角公園前) |
この植物に気がついて早2、3年が経ちます。 「一見ザクロソウの仲間とかハコベの仲間にも似ているけれど違うよなぁ、、、。」と時折気になってみては、どの図鑑を見ても名前が分らずじまいでした。 小笠原にも、身近な雑草を観察しようと「雑草の会」ができて半年が経ちます。 先日、会でこの植物をYさんが持ってきていました。 一方、長島先生に教えて2、3年ほど前から「日本帰化植物友の会」という会の会員にもなりました。外来植物に詳しい先生方から私のような趣味の方まで会員になっていて、このメーリングリストでは、日々全国から活発な意見交換があります。とても勉強になる会です。 また、本土にいる植物仲間の中山さんに「この果実はフタバムグラの仲間。」と教えていただいて 今更なのですが、メーリングリストの過去ログの見直しと「日本帰化植物友の会通信」を読み直していました。 すると、日本帰化植物友の会通信 NO.4(2004年7月12日発行)の水田さんの報告に、この植物に共通した地に伏した特徴、花柄のつき方など、、、写真もまさにこれではないか!と思うようでした。 その後、MLの方に画像を見ていただいて、タマザキフタバムグラで確定しました。 主な特徴 --------------------------------------------------------------- ・高さ10cmほど。茎は地を這うようにして伸び、葉は無毛。 ・茎頂や葉腋から一本の花柄が出て、1〜5個の花をつける。(花は白色。) ・果実は4個のがくが残り目立つ。(種子は細かく多数ある。褐色。) ・托葉は膜質で刺のように尖る。 --------------------------------------------------------------- 父島の三角公園前のみの分布。路傍のコンクリートや歩道のレンガの隙間などに生える。 リストを見ると1987年に母島での報告がある(小野、小林)。父島では初記録。 公園付近ではこの一角にしかない事から、鉢物の園芸植物に混じって入ったものではないかと思う。 現に、本土でもココピートというヤシ殻などを原料にした園芸資材(土壌改良材)から、タマザキフタバムグラやマルバツユクサなどの帰化雑草が発生することが、帰化植物友の会MLで報告されている。 タマザキフタバムグラは、毎年わずかながらですが少しずつ広がっています。 【参考文献】 世界の雑草T-合弁花類-(全国農村教育協会) 神奈川県植物誌2001(神奈川県立生命の星・地球博物館) |
花序のつき方 | 花 |
果実 | 托葉 |