NO.3 ウドノキ
Pisonia umbellifera (J.R. et G.Forst.) Seem.

オシロイバナ科・ウドノキ属

 分布は、小笠原諸島、沖縄諸島、台湾、ミクロネシア、ポリネシア、オーストラリアなど。
小笠原諸島には、父島、兄島、弟島、母島などに分布している常緑樹です。

生育地は、海岸近くから標高300m程までの水分条件のよい土壌の深いところを好みます。

高さは、大きいもので7〜8m程。
樹幹は直径1m以上で、数人がかりで囲えるほど大きく育ちます。
(2004年9月:父島字東海岸)
 葉は対生〜輪生で、枝先に集中します。
長さは25〜30cm程と大きく、無毛。
全縁(ギザギザがない)で、やわらかく厚みのある葉です。
葉脈がはっきりしていて、葉脈にあわせて葉の表面は凹凸があります。

 樹皮は灰褐色で、滑らかな印象です。
「ウドの大木」ということわざは、ウコギ科のウドに由来されているそうです。このウドノキの名はこのことわざに由来されたものだとか。材が柔らかく使いものにならなかったことから、この不名誉な呼ばれ方が有名です。
しかし、現在の小笠原ではこれほどまでの大木はあまりないので、一目見れば忘れることなく、大きな存在感に感動できる植物です。

植物にはウドノキ科というものがありますが、本種はオシロイバナ科で、まったく関係がありません。
花期は夏、房状散形花序の先に白い小花を咲かせます。
果実は、溝があり長細い。丸いものは、不稔の果。表面は粘着力があってベタベタします。
花と若い果実(2004年9月15日)

広分布:木本類の表紙にかえる