No.5ハスノハギリ

(ハスノハギリ科・ハスノハギリ属)

ハスノハギリは、
海岸近くに生える代表的な樹木です。
父島でも、小港やコペペなどの
海岸に大きなハスノハギリが
あります。
巨木の周りにはたくさんの
ハスノハギリの若木が育っています。

樹高が10メートルほど、幹の直径が
70センチを越えるものもあります。
常緑で、幹はやや白っぽいものが
多いです。

また、奥村に通ずる湾岸通りにも
大きなハスノハギリがあります。

(2003年10月:父島・小港園地)

ハスノハギリの花は
暑い小笠原の夏に開きます。
黄色味を帯びた小さな小花を
たくさんつけます。

この花からハスノハギリの
変わった果実ができます。

自然の不思議さを感じます。

(2003年7月:父島・コペペ海岸)

ハスノハギリの果実はピンポン
球を上から少し潰した感じです。
中には直径1センチ強の黒い
種子があるほかは空洞です。

はじめは黄緑色をしています。
若い果実は下が塞がって
いますが、しばらくすると丸く
穴があいて、そこから中の黒い
種子が見えるようになります。
熟すと下に落ちます。
果実はうっすらと朱を帯びる
ものが多いです。

海岸に流れ着いた漂着物の
中にハスノハギリの黒い種子が
混じっていることがあります。
ハスノハギリの種子は海流に
乗って遠くの島へ運ばれて、
そこで仲間をふやすこともする
ようです。

(2003年10月:父島・小港園地)
(2003年7月:父島・コペペ海岸) (2003年10月:父島・小港園地・八瀬川沿い)

葉は大きなもので30センチにもなります。
戦前の子どもはこの葉を綴って帽子や
スリッパを作って遊んだそうです。
毎年、小笠原小の1年生は村のお年寄りから
ハスノハギリの葉を使って作る帽子やスリッパの
つくり方を教えてもらっています。
(「昔遊び」学校行事)

ハスノハギリは、蓮の葉桐なので
しょうか。桐のように軽いので、
昔カヌーの材料になったようです。
まっすぐな材が少ないので苦労した
のではないでしょうか。


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