No.51ムニンヤツデ

固有種:ウコギ科)


ムニンヤツデは、湿った林内に
生えます。
内地のヤツデは2メートル位
しか成長しませんが、
ムニンヤツデは大きいもので
5メートルにもなります。

ムニンヤツデは、
父島では夜明道路の中央山
登り口反対側の林の中に
2株生えています。

また、中央山の階段を
登らずに右に巻くように伸びた
道を歩くと、右手に何本かの
大きく成長したムニンヤツデを
見ることができます。

(2003年4月:父島・夜明道路・中央山入口前)

11月頃、枝先に円錐花序を伸ばし、
ボンボン形にたくさんの
花をつけます。
がくは鐘形で、花弁は白い卵形で5枚あります。
花は両性花で、
ひとつの花が雄花から雌花へと変化していきます。(このような生態を、雄性先熟といいます。)
自家受粉しないための仕組みです。

果実はほぼ球形で、
熟すと黒くなります。
和名の八手(やつで)は分裂葉が
多いことを八で表現したものです。

(2008年11月:父島・中央山)
雄花(2003年11月:父島・夜明道路) 雌花(2008年11月:父島・中央山)

ムニンヤツデの葉は、枝先に
長い柄をもち輪生状につきます。
葉は、円形状に近い掌状葉を
しています。

内地のヤツデは葉の切れ込みが
7〜9裂ですが、ムニンヤツデは
5〜7裂で、葉の切れ込みが
あまり深くありません。

また、ムニンヤツデは、葉の縁に
鋸葉(ぎざぎざ)がありません。
葉の裂片が幅広く、
その先が丸いのも特徴です。

(2003年5月:父島・夜明道路・中央山入口)



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