No.60ムニンネズミモチ

固有種:モクセイ科)

ムニンネズミモチは、小笠原では各島
で見ることができます。
海岸に近い岩場から山の中まで広く
分布しています。

風の強い場所や岩場のムニンネズミ
モチは、あまり大きくなりません。
せいぜい1メートルほどの大きさです。
左の写真のムニンネズミモチは、
笠山の途中の岩場に生えていたもの
です。
風当たりも強く、岩場のためか樹高は
1メートルもありませんでした。

(2003年1月:父島・笠山)

ムニンネズミモチの花は、春3月〜
4月頃にかけて見られます。

真っ白な小花が円錐花序(ナンテン
やヤツデ、アオキのような花の付き
方で、花の軸がわかれて、その先に
ふさのように花を付ける)となって
います。
花はよい香りがします。

(2003年4月:父島・笠山)
(2003年1月:父島・長崎) (2003年1月:父島・長崎)

春、花が咲き終わったあと、果実がつきます。
果実は最初、緑色でやや細長い形をして
いますが、年を越すあたりから黒く熟します。
原色牧野植物大図鑑のネズミモチの説明に
「果実はネズミの糞に似ているので俗に
ネズミノフン,ネズミノコマクラの名がある。」
とあります。

葉は対生(対になっている)し全縁(葉の縁
にぎざぎざがない。)です。
葉柄は短く、葉の表面には光沢があります。
日当たりのよいところのムニンネズミモチ
の葉は、厚みがあります。
また、主脈だけがはっきりしています。
葉の裏は、淡い緑色をしています。

ムニンネズミモチの実生は、2〜4月頃に出ます。
親木の下にかたまって沢山でていることも多く、
島内のどこでもよく見る実生のひとつです。

茎は、他の実生と比べて硬く
枝のようにしっかりしています。

子葉は、濃緑色の丸っこい小判型をしています。

葉は対生、黄緑色の光沢のある葉がでてきます。
ムニンネズミモチの実生には、
葉の基部に小さな托葉があるのが特徴です。
(2003年3月:父島・旭山入り口)

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