No.15ムニンヒメツバキ

固有種:ツバキ科)

春5月、中央山を登り切って
北側の谷をのぞき込むと
ムニンヒメツバキの花の
絨毯が見られます。

ムニンヒメツバキは小笠原
村の花になっています。
父島では、島のいたるところ
で見ることができます。

戦前の畑跡や伐採後の
荒廃地などに好んで生えて
います。

ムニンヒメツバキの老木は、
樹皮が暗褐色になり
縦裂や横裂が入り、ごつごつ
した樹肌になります。

(2001年5月:父島・中央山)

ムニンヒメツバキは、5月から
6月にかけて、チャの花を大き
くしたような花を咲かせます。
ところが、木によっては8月頃
に花をつけているものもあり
ます。

ムニンヒメツバキの花は枝先
に固まってつきます。
花弁は白色で5枚あります。

島名はロースード(ローズウッド
の訛りでバラのような花が咲く
木)です。

(2003年6月:父島・東平)
(2003年1月:父島・東平旧道沿い) (2003年1月:父島・東平旧道沿い)

ムニンヒメツバキは、花が終わると果実が
ふくらみ始めます。
大きさは1センチほどの球形です。
長い柄の先についた球形の果実は、11月を
過ぎた頃に裂け開いて種子をはじき出します。

ムニンヒメツバキの葉は、互生(互い違いにはえる)
し、長楕円形で全縁(鋸歯:葉の縁にぎざぎざが
ない)です。
葉の表面に光沢がり、葉脈がはっきりしています。
裏面の主脈上に白い軟毛があるそうです。

春には、ムニンヒメツバキの実生がでてきます。
島内のどこでもよく見る実生です。

茎は細く、赤褐色をしています。
子葉の形はひし形で特徴的です。
葉には、まばらに鋸歯が入ることがあります。
(2008年4月:父島・東平)

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