No.14ムニンヒサカキ

固有種:ツバキ科)

東平の旧道から木道に入ると
すぐに小川があります。
その小川の上に張り出すよう
に1本のムニンヒサカキが
あります。
ところが、小川にかかった
小さな橋を渡ることに気を
とられて、頭上に張り出した
ムニンヒサカキに気づかない
人が多いと思います。
葉も花も果実も地味な
ムニンヒサカキは、
見過ごされる樹木なのかもし
れません。

この小川沿いに数本のムニン
ヒサカキがあります。

(2003年1月:父島・東平)

ムニン+非榊(榊:サカキにあらず)
と漢字で書くのでしょうか。
内地のヒサカキが
雌雄異株(しゆういしゅ)なので
(雄の木と雌の木がある)
小笠原:父島にのみ分布する
ムニンヒサカキも雌雄異株です。

開花は2〜3月頃です。
直径5ミリほどの薄いクリーム色の
花を枝の下側にたくさんつけます。

(2004年3月:父島・東平)
雄花(雄株の花) 雌花(雌株の花)
(2009年2月:父島・東平) (2003年1月:父島・東平小川沿い)

液果は4ミリほどで、冬〜春にかけて熟します。
中には、茶色い種子が1〜4個入っています。
鳥が食べて種子を運びますが、実生は見つからず、樹高1m未満の幼樹も少ないです。

葉は互生し(互い違いにつく)長楕円形で光沢が
あります。ムニンヒサカキは葉の一部に鋸歯
(葉の縁のギザギザ)があります。
ミクロネシアのヒサカキに関連が深いとする説が
ありますが、固有種としない説もあります。


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