No.21タチテンノウメ

固有種:バラ科)

タチテンノウメ(2002年4月:父島・貞頼神社) (シラゲテンノウメ(2002年4月:父島・大神山)

タチテンノウメは、その名の通りたちあがって
のびていきます。
右の写真のシラゲテンノウメとの間には、多くの
中間型があると言われています。
シラゲテンノウメと同様に乾燥した岩石地に
生えています。

シラゲテンノウメは地面を這うようにのびていきます。
タチテンノウメに比べると、シラゲテンノウメは植物
全体がやや白っぽく見えます。
タチテンノウメもシラゲテンノウメも乾燥地を好みますが
シラゲテンノウメのほうが岩場や山頂など、より乾燥地に
生えています。

タチテンノウメの花(2002年4月:父島・貞頼神社) シラゲテンノウメの花(2002年4月:父島・大神山)
タチテンノウメの果実(2003年7月:周遊道路沿い) シラゲテンノウメの果実(2003年6月:父島・大神山)
タチテンノウメの紫色に熟す果実(2004年10月:傘山付近) シラゲテンノウメの紫色に熟す果実(2008年10月:初寝浦遊歩道)
タチテンノウメの白色に熟す果実(2008年9月:大神山) シラゲテンノウメの白色に熟す果実(2004年10月:旭山)
 タチテンノウメとシラゲテンノウメの果実は、どこが違うでしょうか。
どうも果実の色では見分けがつきそうにありません。
花序の柄の長さ(タチテンノウメは柄が長い。シラゲテンノウメは柄が短い。首をすくめたような格好をしています。)
毛の多さ(タチテンノウメは毛がほとんどない。シラゲテンノウメには果実にも産毛のような白い毛を多くまとっています。)
などがあるように感じています。
 
 テンノウメの果実は、昔、島の子供たちが食べていたそうです。ほんのりとした甘さと渋さがあります。
果実の中には、4〜6個の三日月形の種子が入っています。茶色〜こげ茶色をしています。

タチテンノウメの葉(2003年2月:父島・
貞頼神社)
タチテンノウメの葉は、小葉が13〜14対
で、葉の先が尖り、葉の表面が鮮やかな
緑色をしていて、光沢があります。

シラゲテンノウメの葉(2003年4月:
父島・大神山)
シラゲテンノウメの葉は、小葉が
6〜12対と少なく、葉は全体にまるみ
があります。
そして、葉全体に毛が生えています。


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