NO.2 ムニンエノキ
Celtis boninensis Koidz.

固有種:ニレ科・エノキ属)

 小笠原に広く分布しているムニンエノキは、宮之浜道や奥村の集落内でも見られる小笠原固有の樹木です。
山の土壌の深い場所では、10mを超える巨木になります。

小笠原固有の昆虫、オガサワラタマムシが食樹として利用しています。

 小笠原にエノキ科は、他にウラジロエノキがありますが、ウラジロエノキの葉は広披針形で葉裏が白く、ムニンエノキの葉はゆがんだ披針形で葉裏も緑であることで見分けられます。
(9月:父島・躑躅山)
 幹は灰白色。
葉は5〜10cmで互生。
触るとざらざらします。

ムニンエノキの葉は、主脈を挟んで左右不対称で、まるで後方へ引っ張られたように歪んでいるのが特徴です。

 花期は10月〜11月頃。
落葉した直後に、新葉とともに花柄を伸ばします。
(4月:父島・夜明道路)
 雄花                両性花
雌雄同株で、枝先に両性花と思われる花が、下のほうに雄花が咲きます。
この日は、セイヨウミツバチが数匹訪花に来ていました。実は花期の直前に熟しますが、ほとんどが熟す前に落ちてしまいます。
(11月:父島・旭平展望台)
 果期は、6月から始まるようです。果実の熟した株と、まだ青い果実が付いた株がありました。

果実は暗橙色〜かば色に熟し、縦1cm/横0.8cm。
中には球形の種子が入っています。
 (6月:父島・奥村)
 ムニンエノキの子葉には特徴があります。
先がV字に大きく凹んでいます。
年明けから春頃に芽生えるようです。

 この稚樹が成熟した木になるには、どのくらいの年月がかかるのでしょうか、、、。

そう考えると、一本一本の木々はとても大切な「命」ですね。
 
 (6月:父島・連珠谷)

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