・7月第4週(7/24〜7/30)

[開花]
ムニンノボタン、オオハマギキョウ(農業センター)、ヒメフトモモ、シマムラサキ、アデクモドキ、オガサワラシコウラン、タコノキ、タコヅル、シマゴショウ、チクリンカ、スズフリホンゴウソウ、ムニンヒメツバキ、テリハハマボウ、ノヤシ、ヤロード、シマホルトノキ、ムニンツツジ、タイワンソクズ、ウラジロエノキ、テリハボク、キキョウラン、ハマナタマメ、オオバハマアサガオ、オオハマボウ、モモタマナ、モンパノキ、クサトベラ、ハマゴウ、グンバイヒルガオ、ヒギリ、シマサルスベリ、ゴバンノアシ、ゴールデンシャワー、シュクシャ、ホウオウボク、サンゴシトウ(小曲)、ランタナ、オオバナカリッサ
[結実]
スズフリホンゴウソウ、オガサワラモクマオ、ハウチワノキ、キキョウラン、ウエマツソウ

[フィールドメモ]
 台風が過ぎて、小笠原は大きな潤いになりました。
27日には、千尋に家族で行きました。台風後で雲霧が山を包み、雲の中を歩いているようです。キノコが多く、いろんな蛾を観察しながら歩きました。
山では、ムニンノボタンの花が少し咲き始めました。アサヒエビネの花序もだんだんと伸びています。ムニンフトモモの蕾は8月半ばには開きそうです。
 チクリンカの写真を撮りに、家から近い農業センターに足を運ぶと、オオハマギキョウの花が見事でした。
チクリンカ(小笠原固有:父島・農業センター)
 チクリンカは、父島の一部地域に分布するショウガ科の植物です。
 チクリンカは、小笠原野生生物研究会によって一部を保護しています。植えられているものでは、農業センターや大神山公園などにもあり、淡いピンク色の花や、大きなもので草丈3mにもなる大きなチクリンカを間近に見ることができます。
小笠原固有種説と外来種説があります。
シマサルスベリ(外来:父島・奥村)
 東京では珍しい白いサルスベリで、沢山の花をつけて綺麗だなぁ、、、と観光に来ていた時にも印象に残っている植物です。
 シマサルスベリは鹿児島県の植物で、鹿児島県の絶滅危惧種(VU)になっています。小笠原では、気候が合っているせいか、実生が芽生え天然更新している。
夜明道路沿いにもあるので、注意が必要になる植物です。

・7月第3週(7/17〜7/23)

[開花]
ムニンノキ、シマムラサキ、アデクモドキ、オガサワラシコウラン、タコノキ、タコヅル、シマゴショウ、スズフリホンゴウソウ、ムニンヒメツバキ、テリハハマボウ、ノヤシ、ヤロード、オオバシマムラサキ、オオシラタマカズラ、タイワンソクズ、ウラジロエノキ、テリハボク、ハマナタマメ、オオバハマアサガオ、オオハマボウ、モモタマナ、モンパノキ、クサトベラ、ハマゴウ、グンバイヒルガオ、シマサルスベリ、ゴバンノアシ、ゴールデンシャワー、シュクシャ、ホウオウボク、ソウシジュ、サンゴシトウ(小曲)、ランタナ、アオノリュウゼツラン、オオバナカリッサ
[結実]
スズフリホンゴウソウ、オガサワラモクマオ、ハウチワノキ、キキョウラン、ウエマツソウ、クロツグ

[フィールドメモ]
 今週になって朝・夕には雲が出てきて、ようやく通り雨の降る日がでてきました。これで、少しは岩石地の植物にも潤いを与えそうです。
 小笠原の夏は、とても過ごしやすい。最近では、日中の家にいても、車は走らせている状態であれば窓を開ければ涼しい風が通るのでエアコンはかけなくて済みます。海辺の木陰にいれば、尚良い。山は場所により蚊が多いので蚊の対策を十分していった方が良いです。
テリハボク(広分布:父島・夜明道路)
 テリハボクは海岸植物ですが、戦前植えられたものが今も山に大木になって残っています。
 今も昔も、島では「タマナ」と呼び、幹の中をくりぬいて作った楽器「カカ」などに使われてきました。実は丸く、リースなどの飾りの材料としてもかわいい。
花は、白く沢山の咲かせ、(意外と?)綺麗です。強い芳香があります。

この植物の図鑑説明へ
シマムラサキ(小笠原固有:父島・東平)
 乾性低木林の林内に、シマムラサキが咲き始めました。オオバシマムラサキやウラジロコムラサキと同じく、雌雄異株で花のタイプは3タイプあります。
 今咲いているのを見ると、このあたりは全て雄花でした。雌株もあるのですが、未だに花序が出てきていません。
シマムラサキの花期は,秋頃までぽつぽつと続きます。

ムラサキシキブ属の花の構造

・7月第2週(7/10〜7/16)

[開花]
ムニンノキ、シマムラサキ、アデクモドキ、オガサワラシコウラン、タコノキ、タコヅル、ムニンボウラン、シマホルトノキ、シマゴショウ、スズフリホンゴウソウ、ムニンヒメツバキ、テリハハマボウ、ノヤシ、ヤロード、オオシラタマカズラ、ヒメマサキ、ハツバキ、タイワンソクズ、ウラジロエノキ、テリハボク、モクタチバナ、ハマナタマメ、キキョウラン、ウエマツソウ、オオバハマアサガオ、オオハマボウ、モモタマナ、モンパノキ、クサトベラ、ハマゴウ、グンバイヒルガオ、シマサルスベリ、ゴバンノアシ、ゴールデンシャワー、シュクシャ、ホウオウボク、ソウシジュ、サンゴシトウ(小曲)、ランタナ、アオノリュウゼツラン、オオバナカリッサ
[結実]
スズフリホンゴウソウ、オガサワラモクマオ、ハウチワノキ、キキョウラン、ウエマツソウ、クロツグ

[フィールドメモ]
 例年7月には開花しているムニンノボタンが、今年は蕾も上げていません。アサヒエビネは花序をあげる雰囲気もなく、全般的にやや花期が遅れているようです。ムニンフトモモは、固い蕾をつけています。
 小笠原は、4、5月に続いた長雨の後、6月10日頃を境に今度は好天が続いています。ようやく今日は植物を潤す雨が降り、乾燥に弱い絶滅危惧種には恵みの雨になりました。
オガサワラシコウラン(小笠原固有:父島)
 人里離れた山奥に、オガサワラシコウランが咲いていました。写真は、2個の花が終わってひとつの花のように見えますが、オガサワラシコウランはバルプの基部から長い花柄を伸ばし、主に3個の花を咲かせます。
 返還後当初は頻繁に見られたようですが、盗掘により激減し、今では観察しやすい株は非常に少ない。身近なところでは、農業センターの温室が一番よく花を観察できます。
アデクモドキ(小笠原固有:父島・桑ノ木山)
 桑ノ木山山頂には、アデクモドキが多く見られます。桑ノ木山は、父島最高峰(厳密には2位)・中央山の隣にある山です。片道、徒歩15分ほど。遊歩道の途中には、シュクシャやムニンフトモモを植栽した休憩場所があり、散歩気分で高い山と豊富や植物相を見る事ができます。
 同じアデク属のヒメフトモモとは、アデクモドキの方が、葉、花、実が明らかに大きい事、高木になるなどに違いがあります。

・7月第1週(7/3〜7/9)

[開花]
ムニンノキ、シマムラサキ、アデクモドキ、ヒメフトモモ、オガサワラシコウラン、シマクマタケラン、タコノキ、タコヅル、ヒメマサキ、ムニンボウラン、オガサワラアザミ、ツルワダン、シマホルトノキ、シマゴショウ、マルバシマザクラ、スズフリホンゴウソウ、ムニンヒメツバキ、テリハハマボウ、ノヤシ、ヤロード、オオシラタマカズラ、ヒメマサキ、ハツバキ、オオバシマムラサキ、タイワンソクズ、ウラジロエノキ、テリハボク、モクタチバナ、ハマナタマメ、キキョウラン、ウエマツソウ、オオバハマアサガオ、オオハマボウ、モモタマナ、モンパノキ、クサトベラ、ハマゴウ、グンバイヒルガオ、シマサルスベリ、ゴールデンシャワー、シュクシャ、オオゴチョウ、ホウオウボク、ソウシジュ、サンゴシトウ(小曲)、ゲットウ、ランタナ、アオノリュウゼツラン
[結実]
オガサワラアザミ、ツルワダン、ハウチワノキ、キキョウラン、ウエマツソウ、クロツグ

[フィールドメモ]
 山を歩くと、いろいろな香りがします。コブノキ(シマホルトノキ)、タマナ(テリハボク)、アデクモドキ、タコノキ、、、、。風に乗って漂う香りで、ハッと身近にある事に気がつきます。
花は、依然ムニンヒメツバキ、シマホルトノキの白い花が山を覆っています。ムニンノキ、シマムラサキも、ぽつぽつと咲き始めています。
オガサワラボチョウジ(小笠原固有:父島・東平)
 山では、2〜3cmの長い花筒をもつオガサワラボチョウジが咲いています。昔から島では”アップルウッド”と呼び、島民に親しまれてきました。
 材がやわらかいからか幹は度々折れ、そこに枯葉や木くずが積もって、シダ植物や外来種のガジュマルが実生を出します。

この植物の図鑑説明へ
シュクシャ(外来:父島・桑ノ木山)
 インド・マレーシアに分布するシュクシャは、戦前に観賞用として栽培されたものが今も残っています。
花は5〜6cmの白い花で、蒸し暑くなった季節に、つかの間の清涼感を与えてくれます。中央山から桑ノ木山に行く遊歩道沿いに多く、他にも、昔の私有地跡などの土壌の深い場所にもあります。黄熟した実もなりますが、主に栄養繁殖で増えているようです。

homeにかえる