6月の歳時記
シマホルトノキ | 地面に落ちた木くず |
ムニンヒメツバキやシマホルトノキの花が咲く6月頃やアサヒエビネが咲く9月頃になると、オガサワラクマバチは巣作りの時期になります。 雌が倒木や立ち枯れた木に穴を開けようと木々を見て回る姿や、巣を作る光景をよく見るようになります。地面には、(写真:左上のような)細かな木くずが落ちています。小さな痕跡でも、植物だけでなく生き物の痕跡にも注意してみると、もっとフィールドの面白さが広がります。 |
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オガサワラクマバチ(雄) | オガサワラクマバチ(雌)の巣作り |
-------父島のノヤギ情報------- 父島では、ここ数年ノヤギが増加し分布を広げています。 三日月山へ、そして焼場の上の道路を徘徊しているようです。集落付近にでてくるノヤギの頭数も多くなり、小笠原高校から奥村の道路へ降りる斜面や道にでてきて今にも道路を渡っていきそうです。扇浦地区でも、扇浦のラストハウス付近にノヤギの糞がありました。ここまできているようです。 数年前からノヤギの増加を感じてはいましたが、私自身これ程早く分布が広がってくるとは思いませんでした。このままでは、それほど遠くない将来に、父島のどこへ行ってもノヤギの糞が落ちているようになるでしょう。 ノヤギの問題は、@絶滅危惧種への被害、A農業作物への被害、Bノヤギの糞による健康被害、少なくともこの3つがあります。他にも、水質や土砂崩れの影響もあるかもしれません。 @については「種の保存法」という法律に守られたごく一部の危惧種が国の柵によって守られています。でも、その他のヤギの好む絶滅危惧種は、特に次世代に当たる1m以下の低木層が激減しています。 Aについては、村が電気柵を配るなどの対策がされています。 Bについては、野外での食事の時、野外から家に帰った時の衛生面を、各自で注意するように呼びかけています。 しかし、柵はあくまでも農業作物や野生絶滅を防ぐ為の個体レベルで守る応急処置です。将来的に公園やグラウンドなどにもでてくるようになってしまったら、Bの問題も大きくなります。@についても小笠原の外来種に弱い植物たちが、一体いつまで、何処まで堪えられるか分りません。柵を設けると同時に、根本的な問題解決となるノヤギの頭数の一定のコントロール(駆除)にも力を入れてほしい。 |