鳥山

 1月4日、再び家族で鳥山へ、、、今年初めての山歩きに行きました。
8時45分、巽道路を出発。調べ物をしながら行ったので帰りは4時半でした。飲み物は1人1リットル。(よく飲む人は、もっと多めに持っていきましょう。道も迷いやすいので、詳しい人と一緒に行かないと非常に危険です。)
このところあまり人が通っていないのかシダやタコヅルが茂っていて、通りにくい場所や足元が見えない危険な場所がいくつかありました。時折、シマウツボがあちらこちらで頭を出しています。

 写真は山頂から撮ったもの。ちょうど写真の部分は、裸地になった尾根沿いを歩いていきます。
東側から中央部に広がる山々を眺める景色、青い海はとても綺麗です。
この半島の植物は在来種数が豊富です。今回は野帳をつけてみたところ、自生の維官束植物植物は70種程(うち外来種は15種、広分布種19種、固有種34種)でした。雑草ではホナガソウやオオバナセンダングサなどの驚異的な外来種はなく、シマヒゲシバやスズメノコビエもヤギに刈り込まれて小さい。他の外来種も細々と生きているといった様子で、伝え聞いている昔の小笠原の雑草たちに近い。また、東海岸にはシマグワ、ホナガソウなどが生えているのに、わずか数百メートル離れた鳥山の半島にはないのも興味深い。地形や海水、人があまりこない事が多くの外来種の侵入を防いでいるのではないだろうか、、、。この半島だけうまく隔離された状態になっている。ギンネムやトクサバモクマオウやリュウキュウマツも極少ない。この半島の外来種<在来種の図式は、昆虫も同じことがいえそうです。マイマイも若干生息しているので、靴を海水につけてから登るなども自然を守る為に有効かもしれない。

この素晴らしい場所で一点残念なのはヤギが多いこと。もろい斜面はすぐに崩れそうだし、植物相も老木が多く森林は後退している。この半島の付け根にヤギが通り抜けられない柵を設けられれば、他の地域より比較的容易に外来動物から守る事ができるだろうにと思ってしまう。シマグワがないことから、純粋な父島産のオガサワラグワを植栽していくにも適しているようにも思う。

 ヤギの事といえば、小笠原のヤギの糞からサルモネラ菌がみつかった事が今月の村民だよりに載った。「父島ではここ数年感染源不明の腹痛や下痢症の患者さんがここ数年増えています。」これは、島内のヤギが増えてここ数年集落内にまで出没するようになっているからだろうか。以下は注意書き。
・ハイキングや野外活動などでは手袋を着用する。
・屋外での食事は、お手拭などで手を清潔にした上で箸などをを使い直接食べ物に触れないように食べる。
・野外活動後には泥やホコリを家の中に持ち込まない。
・屋外で使用する作業着と室内用の衣類、タオルなどは別に洗濯する。


ヤギの糞は、見晴らしの良い岩場、開けた山頂には足の踏み場を考えるほど多い。私個人は、あの沢山の糞が生活用水に使う水源に流れ込んでいるんだろうな、、、と気持ち悪く感じていましたが、今回、サルモネラ菌が見つかって糞の問題が浮上した。
現在、小笠原では属島のヤギ駆除が優先となり、父島のヤギ駆除は村でわずかに行っているだけになっている。
これからは農業関係者だけでなく、いろいろな視点から父島島内のヤギ駆除の声も高まってくるかもしれない。
矮低木林林(樹高30cm程のヒメフトモモの林)

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