ウラナミシジミの大発生

 最近、大村海岸(前浜)にウラナミシジミが群れています。幼虫は、マメ科の植物を食べるという。
ウラナミシジミ(広分布種、学名:Lampides boeticus Linnaeus )は、小笠原では秋から冬にみられますが、大村海岸でこれだけの数を毎年見られる訳ではありません。私の記憶では、3、4年前にジニービーチ付近でイソフジやハマゴウの花に集まる光景を見た事があります。気がついたのは、それ以来のことでした。

現在、ジニービーチのイソフジ(広分布種、学名:Sophora tomentosa L.)は、野生化したヤギの食害が著しく、台風の塩害も重なり、付近の海岸植物はじり貧な状況です。もしかしたら、これも関係しているのかもしれません。
もともとイソフジは、小笠原諸島ではあまり多くありません。(津山、1970年)現在、父島においてイソフジの大きな群落になっているの場所は、ヤギのいない大村海岸だけなのです。

                            →イソフジの図鑑へ
 群れは50平方メートル内に500頭程いて、イソフジの上で日光浴をしたり、交尾をしたり、蕾や若い葉に産卵をしたり、幼虫が花を食べていたり、また後ろの広場の草むらで休んだりという一連の生活をしていました。


ウラナミシジミだけでなく、セイヨウミツバチやチャイロネッタイスズバチなどの外来生物に混じって、ハナバチか?と思うような個体が稀に見られました。写真に撮れず残念です。

他にも、目や耳を澄ませば、蛾やカメムシの仲間やクモの仲間、多くの生き物がイソフジを中心に生活している事が分ります。
産卵をするところ(父島・大村海岸:2005年11月30日)
その後、12月中にはぱったりと姿を見なくなった。今度はどこへ行くのかな・・・。

歳時記の目次へかえる