春の野の花

 晴れた日は外を歩くとぽかぽか暖かい小笠原のうららかな陽気。
植物たちも陽の光や気温の変化をキャッチして、新しい芽を出したり花を咲かせています。植物の中には春だけにしか地上に出てこない植物もあります。「春の妖精」のような道ばたの小さな野の花を見てみましょう。

クローズアップ!春の野の花クイズ

Q:この花はなんでしょう?

春のブーケのように見えて写真を撮りました。これは何の花でしょう?7月ごろまで咲いている一年草の花です。 淡い青い花がさわやかなとてもかわいらしい花です。6月ごろまで咲いています。

答えはこちら・・・。

私が気になる春の野の花

(1)ウシハコベ    「コハコベとウシハコベ」
 小笠原の植物目録をみると大抵コハコベの名前があります。近所で見つけたハコベは、葉も大きくウシハコベにも見えます。この違いが頭を悩ませていました。しばらくしていろいろ調べるとウシハコベの柱頭は5個で、コハコベは3個という違いがあるそうです。そんなところが違うんだ!という驚きと発見。小さな花をよく見れば単純明快だったのです。
それからこのハコベは、ちゃんと「ウシハコベ」という正しい名前で呼んであげています。もしかするとコハコベもどこかにあるかもしれません。

ウシハコベ(農地の道端に生えている。少ない。) よく見ると、柱頭は5個。花弁は5枚で一枚の花弁がVの字に切れ込んでいます。


(2)ハマクワガタ    「ハマクワガタは本当に在来種か?」
 西海岸へ行く山道の途中日のあたる場所にはさまざまな草本が生えているので、ここを通るときには必ず観察しながら歩いています。2年前から急に目に付くようになったのがこのハマクワガタの花です。ゴマノハグサ科、イヌノフグリの仲間で、高さは15〜20センチ程、全身毛が生えていて葉に細かい鋸歯(ぎざぎざ)があるのが特徴です。花は本当に小さく、開いているのか分らないような感じです。他にも袋沢の農道や小曲付近の道ばたにあります。小笠原の植物目録にも以前から載っているもので広域分布種(世界に広く生育している種)として扱われています。内地では地域ごとでレッドリストに載っている稀少な植物です。小笠原も・・・ということになるのでしょうが、生えているところは農地や民有地ばかり・・・。妙な感じです。前年は父島・小曲にも出ていましたが今年はまだ見えません。ゆっくりと島内の分布を確認し、注意深く見ていきたい植物です。5月頃まで咲いて、陽気が暑くなってくると枯れてしまいます。

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