小笠原は梅雨のような天気も晴れ、強い日差しが戻ってきました。
海の水はまだ冷たく感じますが、島っ子たちは何のその!海に飛び込んでいます。
そんな中、見つけた小笠原の小さな自然・小さな不思議を少し紹介します。

小さな発見:その1

斑入りアカテツ

 斑入りのアカテツを山で見たと主人が言うので、一緒に見に行きました。

戦跡の多い場所、モクマオウとクロガヤとの間にぽつんとその木はありました。
驚いたことに全体的に見事な斑入りです。
まだ40cmくらいの小さな木でした。

葉は、小笠原のアカテツより照りが強く感じます。

外来種かな、、、?
とすると、戦前か戦時中に植えたとしか考えられない場所です。もう少し大きくてもいいかもしれません。
鳥が実を食べて種子を運んだ、、、とすると、もうすこしいろんな場所で同じ植物を見ても良さそうです。
残るは、遺伝子のエラーでしょうか、、、。

分りません。
これから栽培品で似たものがあるか、調べてみようと思います。

小さな発見:その2

雌雄異株の植物

 ミカン科のシロテツ属は、植物の中では唯一の小笠原固有の属で、貴重な存在です。

シロテツ属は雌雄異株の植物で、今まで私は、性別は2方に綺麗に分かれているものと思っていました。

ところが!アツバシロテツの花を見ていた時のこと。「これは雌、これは雄、、、。」と見ていくと、
「あれ?!」変です。雄株の中に大きく膨らんだ果実があるのです。
その後、雌株の中にも時折雄花が混ざることも分りました。
(2005年5月18日:父島)
 反対に本土で性が稀に雑居するものが、小笠原ではしっかりと雌雄異株になっているものもあります。
ムニンヒサカキです。小笠原では雌雄異株で、両方の性が少しでも混ざることはありません。しかし、本州のヒサカキは、雌株に雄の花が時折混ざったり雄株に雌花が混ざるようです。


 他では、トベラ属などは性別の判断が難しく、その他にもまだまだ雌雄がはっきりしない植物があります。中には性分化の途中だったり、小笠原独自に性分化しているものがあるかもしれません。
植物の不思議をかい間見て小笠原の植物を考えるのも、また新たな楽しみ方と魅力です。

また、ここにあげた時折雌雄が雑居するものも、雌雄異株の植物として捉えていいようです。今回見た果実を通じて、あらためて花の性は微妙なものなのだと思いました。

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