西海岸(その2)

 2枚の写真ともに、うぐいす砂
 小笠原は動植物だけでなく、地質的にも大変貴重だといわれています。
代表的な岩石に、島の名をつけた「無人岩(別名:ボニナイト)」があります。


 小笠原諸島は、4800万年〜4200万年前に海底火山によって誕生したといわれています。その時、何故かとんでもなく地球の奥深くから高温のマグマが湧き上がって、無人岩という世界的にも珍しい鉱石をつくりました。

 無人岩が波に洗われると、固い古銅輝石の粒だけが浜に打ちあがります。これがうぐいす砂です。(左上の写真)
うぐいす砂は、西海岸の他に初寝浦などでも見ることができます。
写真では伝えにくい色ですが、名前の通りうぐいすのような色で、特に西海岸では綺麗な深い緑色をしています。普通の砂に見える場所でも、よく目を凝らすと、透明〜うぐいす色・緑色の古銅輝石の粒です。
少し大きな粒(0.5〜2mm程)の砂を光に透かすと、とても綺麗に輝いています。(右上の写真)

日常の生活において、実体験として地球を感じることは少ない。
この小さな砂粒を手にして、あらためて地球の神秘に触れる気がしました。

 植物では、キキョウランは藍色の実が、ヤロードは島の中でも早く黄色に実が熟していました。山道沿いにあるムニンフトモモの赤い花は、山歩きの疲れを癒してくれます。
  キキョウランの果実  ムニンフトモモ

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