NO.47 キンモウイノデ
Ctenitis lepigera (Bak.) Tagawa
(オシダ科・カツモウイノデ属)
(2005年6月:父島・東平) | 若い葉 |
キンモウイノデは、小笠原諸島とミクロネシアに自生する常緑性のシダです。 本州に自生するカツモウイノデに似ています。 小笠原諸島では、父島、兄島、弟島、母島、北硫黄島、南硫黄島に分布しています。 父島の山を歩いているとよく出会うシダです。 キンモウイノデという和名は、葉柄基部に多くつく鱗片(りんぺん)の黄褐色〜褐色の色に由来しています。 鱗片は、根茎、葉柄、葉の軸などに2列以上に並ぶもので、様々な色や形があり、シダ植物の分類で重要な特徴になります。 小さい鱗片は、一見して毛に似ていることもあります。 キンモウイノデの鱗片は、根茎、葉柄、葉の軸にみられます。とくに、基部の鱗片は長い特徴があります。 葉柄の長さ30〜60cm程。 葉の長さ40〜70cm程。 2回羽状複葉。やや光沢があります。 最下羽片が一番大きく、丸みのある三角形のような形をしています。黄緑〜緑色。紙質。 左上の写真のように成熟して葉が古くなると、葉の色は黄褐色〜赤茶色になります。 |
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鱗片 | ソーラス |
胞子嚢は、側脈の先に1個ずつ付きます。かば色。 葉の裏を見ると、ニセマイコガの一種とみられる蛾の幼虫が胞子を食べています。 幼個体は、最下羽片が大きく、三角形の形をしています。 キンモウイノデと母島固有種であるコキンモウイノデとは同じ属ですが、コキンモウイノデはホラカグマに似ているそうです。カツモウイノデと似ている本種とは近縁関係が顕著でないと考えられています。 |
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胞子を食べる幼虫(2008年4月:父島・中央山) | 幼個体 |