NO.17 スズフリホンゴウソウ
Sciaphila okabeana Tuyama

固有種:ホンゴウソウ科・ウエマツソウ属)

(2008年6月:父島)
 6月はじめから7月下旬、父島各地の朽木によく見られます。7月を過ぎた後もぽつぽつと新しい花が咲き、比較的長い間見ることができます。
しかし、とても小さな植物です。きっと、こんな植物があると知らなければ、(いや、知っていても!)踏んでしまいそうなくらい小さく繊細な植物です。
山を歩くときは、足元の小さな植物にも目を向けなくてはなりませんね。

ホンゴウソウの仲間は、植物リストを読むと固有種のスズフリホンゴウソウと広域分布種のウエマツソウが自生するとされています。

スズフリホンゴウソウは高さ6.5〜7cm、茎の太さ0.05cm。托葉の長さ0.2〜0.25cmで、幅は0.05cmと細い。これに比べてウエマツソウの葉は、卵形でボート状に茎を包みます。
また、スズフリホンゴウソウは中部から上部で枝分かれをし、花期の終わりごろには多数に枝が分かれます。

2004年はスズフリホンゴウソウの方が島内のあちらこちらで見ました。ウエマツソウの方が数が少ないのかな、、、。そう思ったら、2005年5月にはウエマツソウをよく見ます。年によってまたは季節によって、地上部へ出る量が変わるのでしょうか。

(上が雄花、下が雌花。) (果実(集合果)は、淡い色をしていました。)

 花は、上部が雄花で直径1.5mm、花被は5−6裂し、雄しべは3個。葯状付属突起はない。写真は雄しべの花粉が終わってしまって青く見えますが、普通は白い。
下部は雌花で花被は5−6裂し、多数の雌しべが球状に集まります。果実は2mmになります。

 スズフリホンゴウソウは、最近では台湾や西表島に分布する(Sciaphila ramosa)と同一とする見解もあるようです。

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