NO.40 ウエマツソウ
Sciaphila tosaensis Makino

(ホンゴウソウ科・ウエマツソウ属)

 5月、じめじめとした林内の地面を注意深く見てみると、落ち葉の間にスズフリホンゴウソウと混じって、ウエマツソウが生えているのに気がつきます。

ウエマツソウは、本州中部から沖縄県、小笠原諸島にかけて見られる多年生の腐生植物です。

 スズフリホンゴウソウとの差異は、
まずぱっと見ると、ウエマツソウは茎が太くがっちりとしていて、全体的に大きく見えます。
茎も花も紅紫色が濃く感じます。

また、雄花の花被は長細く上を向くので、とげとげした印象です。スズフリホンゴウソウの雄花は、柄の方へ反り返ります。

   (5月:父島)
高さ4.5〜10cm。
茎は1mm、花茎の長さ2〜3mm。
半透明の托葉(茎や花茎につく葉)は2〜2.5cm。幅1〜2mmと広く、卵形でボート状の形をしています。

雌花が2個程下につき、雄花が4〜8個上につく。

雄花の花被(花弁の姿をした萼)は6裂し、裂弁は細長い。
写真では分りにくいですが、3個の葯の下には粒粒とした土台が見えます。これは、花床の細胞が突起したもの。
この点もスズフリホンゴウソウと違うところです。
 雄花と雌花
 ウエマツソウは、小笠原以外でも見られる広域分布種ですが、絶滅危惧種VUに指定されている稀少な植物です。踏みつけないように大切に見守りましょう。



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