No.69ムニンハナガサノキ

固有種:アカネ科)

ムニンハナガサノキは、
他の樹木に絡まってのびる
つる性の常緑低木です。
日当たりのよいところを
好みます。

ちょっと見たところ、
テイカカズラに似ています。

枝は暗紫褐色。
枝は左巻き(反時計回り)に
他の木に巻きつきながら
絡まっていきます。
葉は対生(対になってついている)で、
厚みがあります。
また、表面に光沢があります。
葉は、長楕円形か卵形で
先がとがります。暗緑色。

(2003年1月:父島・東平旧道)


花は6月頃に咲きます。
枝先に薄い緑白色を帯びた
花が7〜8個集まり、
さらにいくつか集まり傘状に
なります。
雄花と両性花に分かれている。
雄性両全性同種といいます。

雄花(雄株の花)      両性花(両性株の花)
果期は12〜1月頃。
果実は上の写真のようにおもしろい形を
しているので、1度見たら忘れられません。
果実は6〜7個が集まり、直径1.5センチ
前後の球形になり、熟すと朱色になります。

花梗(花序の柄)の長さは5mmと短く、目立ちません。
果実が落ちてなくなると、花梗も一緒になくなります。

母島列島のものは花梗が長く、
半年や1年経っても枝についています。
ムニンハナガサノキの変種ハハジマハナガサノキ
区別されています。
(2008年12月:父島・東平)
ムニンハナガサノキの実生や幼樹には、
全体に白い毛があります。
毛は、若い枝や葉にも付いていて、
葉が硬くなる頃に落ちてなくなります。

小さいころには葉も細長く、
ちょっと見てムニンハナガサノキだとは
思えないような姿をしています。
(2009年2月:父島・東平)
ムニンハナガサノキとテイカカズラの葉の見分け方

ムニンハナガサノキとテイカカズラの葉は、ちょっと似ていますね。
はじめて見たときには、どちらだろうかと迷いそうな植物です。
どこが違うか調べてから野外観察にでかけてみましょう。
ムニンハナガサノキの葉 テイカカズラの葉
ムニンハナガサノキの葉の裏側 テイカカズラの葉の裏側
【これだったらムニンハナガサノキ】
@新しい枝は暗紫褐色をしている。
A側脈は葉の裏側に突出している(でっぱって、でこぼこしている)。
B葉脈の側脈は斜め上に向かって伸び、次第に細くなって
最後は不明瞭になっている。




【これだったらテイカカズラ】
@新しい枝が赤褐色をしている。
(暗紫褐色の場合もあるので注意)
A赤い葉や赤味がかった部分がある葉が1枚でも混じってつく。
(新葉や落葉に多く現れる)

B葉脈の側脈は突出しない。やや横へ伸びて縁を囲む。
(テイカカズラの葉脈は、シマイスノキの葉脈に似ている。)
C葉や枝は、傷つくと白い樹液がでる。
(植物を傷つけるのことは、あまりお勧めできる方法ではありません。
なるべく@〜Bの方法で調べてみてください。)

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